桜の木に寄り添う

遭遇

疲れが溜まった時に甘いものって。
 たしかに吹き飛んだ気がする。
 やっぱりいいんだよね。

 次の日。
 私はすっきりした気持ちで出勤した。

 優しいアロマの香り。
 やっぱり癒される。

 仕事しながらこんなリラックスした雰囲気。

 他にきっとこんな癒される仕事ってあるのかな。

 私は他の仕事の事は分からない。
 この仕事をしてきて思う事。
 毎日、来てくれるお客様に、

 すっきりしたー。癒されたよ。
 ありがとう。

 色々な言葉を頂いてる。

 人と人との繋がりを大切に思える。
 支え合えれば、乗り越える事だってできる。

 私もありがとうという感謝の気持ちになる。

 店長にも。
 ほかに支えてくれているみんなにも……。

 仕事がひと段落して、やっと休憩だぁー。

 お腹すいたと思って、外に出た。
 今日のお昼は何食べようかなー。
 そう思ってた時……!


 安西さんの姿が見えた。

「 あ、安西さーん!」

 見つけた瞬間。
 呼んでしまった。


 でも安西さんは1人じゃなかった。
 隣には……見たことがある男性がいた。


「 こんにちは!なつみちゃん。私の彼氏、ヒロくん!」

 やっぱりあの人って……。

 ヒロくん?

「 はじめまして 」

 私は思わず、はじめましてと言ってしまった。
 思わず出てしまった。

 あの人は。

 桜の木に置いた袋の人。

 桜の木の下でよく遊んでいたヒロキくん。



 すべてがつながった瞬間だった……。
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