桜の木に寄り添う

寂しくて

すごい偶然と再会で、頭の中が混乱してる。

 いきなりこんな出会い方……意地悪だよ。
 せっかく再会できたのに……どうして。
 もう少し、違う形で再会していれば、笑顔で嘘なんかもつかずにいられたのに。

 そうだった。リエに返事書いてなかった。
 私はふてくされながら、ペンと便箋を机の上に出した。

 ーーリエーー

 元気?
 彼氏とはうまくいってるね!
 リエののろけ話、私も嬉しいよ!

 私は……

 だめだ。書けないよ。

 手紙。私は……のところで止まってしまう。

 あれ。

 どうして。

 涙が急に溢れ出してきてしまう。

 私どうしちゃったんだろう。胸が苦しかった。
 嘘をついてしまった罪悪感なのか。
 それとも……。

 どうしてこんな気持ちになるの。

 不思議な不思議な感情そのものであった。


 ……寂しくてたまらなくなった。


 携帯を取り出し、電話をかけた。


 電話の相手はよっちゃんだった。

「 もしもし、今夜会える?」

 約束を取り付けた。

 よっちゃんは、優しいから何かあったとすぐセンサーを働かせてくれる。

 私って。ひどい女なのかもしれない。

 最低なのかもしれない。

 寂しさから逃げるために、自分のことを好きと言ってくれた、優しいよっちゃんに連絡するなんて……。
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