桜の木に寄り添う

ショッピングモール

こんなに広いショッピングモールこの町にもあったんだ。

「ここ、最近新しくできたんだよ。なつ、知らなかったでしょう!」

「 全然知らなかったー 」

「 もっと行動範囲、広げなきゃ!つまんないよ!」

「 おっしゃる通りです…… 」

 よし!いっぱい買っちゃう!



 私達は、全部の店舗を周りそうな勢いで見て回った。

「 あー、これもいいー!」

「 お前ら、買いすぎだろ!」

 私達は、ここぞとばかりに買ってしまう。

 服や雑貨などなど。
 お洒落なものも沢山ある。

 私達はカフェでお茶をすることにした。

「 やっぱりここはパンケーキ食べなきゃ!」

「 有名だもんねー!」

 しばらくして、お洒落な器で、ふわふわでホイップやフルーツたっぷりのパンケーキが運ばれてきた。

「 わぁー!」
 私達は、子供に戻ったような表情でウキウキした気分になった。

 コウちゃんと私は思いっきりはしゃいでいる。
 ヒロキくんも呆れたような顔をしているけど、笑顔で見守ってくれている。

 こんな楽しい時間久しぶりだな。

 するとコウちゃんが突然言い出した。

「 ヒロキ、いつ別れたの?」

 え。知ってたんだ。

 ヒロキくんは、コーヒーを吹き出しそうになりながら、答えた。

「 いきなり……。だいぶ前だよ。束縛がひどくて、今はストーカーになりそう」

「 何それ 」

「 職場に来たり後つけられたり。怖いし 」

「 まあ、そんだけ愛されてたのよ 」

「 そうでもないよ。色々あるんだよ 」

 恋愛話をしたりこれからの事を話したり。

 まるで昔に戻ったような凄く楽しい時間だった。

 暗くなっていてもどんどん落ち込んだ気分になってしまう。

 いつまでも、ポジティブな私でいたい。

 いつまでも。

 私はそう思っていた。
< 33 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop