桜の木に寄り添う

話し合い

カフェに着き席についた。
 約束の時間よりだいぶ早く来てしまった。

 呼び出したものの、何から話ししていいんだろう。
 心の中は傷だらけになってしまっていた。

 1人じゃやっぱり来れなくて、事情を説明して、リエにも来てもらった。

「やっぱり……怖い。」

「呼び出しておいて逃げちゃだめだよ!私もいるから安心して、喋りな!」

「うん。嫌がらせなくなるかな。」

「どうだろうね……。」

 今回の事で、お店にも迷惑かけてしまった。
 ずっとあの嫌がらせを受ける中、もっと迷惑かけてしまうかもしれない。そう思った。

 私が、離れる事でなくなるだろうし。
 いい機会だと思った。

 しばらくして、夜になり、カフェのドアが開いた。

 カランカラン。

 ドアの方に目を向けると。

 ヒロキくんだった。
 どうして……!?
 リエは怒った表情で言った。

「なんで、あの女じゃなく、あんたがくるの?」

「あいつから連絡が来て、話があるからカフェに来いって言われて。お前たちはなんで?」

「実は、なつみ嫌がらせ受けてたんだよ!ずっと。職場まで来てさ。その話し合いのはずだったんだよ。」

「えっ?知らなかった。」

「だから職場も辞めて、あの家も出るから!あんたのせいだからね!」

「もういいよ。リエ。行こう。きっと来ないから。」

 私達は、呆然としていたヒロキくんを残しカフェを出た。
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