桜の木に寄り添う

新しい一歩

「はぁ。やっと着いたね。」

「明日行きたい所あるから、ここの近くに今日は泊まりたいんだけど。」

「うん。じゃ、一緒に話そうではないか!昔みたいにさ。」

 明日から、新しい毎日が始まる。

 環境、周りの人。すべてが新しい。
 何があっても、前を向いて生きてきた。

 辛くても、辛そうとか思われないように必死に。

 強がってるわけでもない。

 ただ誰かといる時は、いつも笑っていたいから。

 そういう時間も大切にしたい。

 色々考えていくうちに、いつの間にか眠ってしまっていた。

「なつみー?あれ?寝ちゃった?」

 リエは電話をかけた。

「もしもし。コウちゃん?無事に着いたよ!もう少ししたら、なつみから、電話させる。うん。じゃ。」

「世話が焼ける子だよ。笑ってる。きっといい夢を見てるんだね!」

 ーーーーーー

「ヒロキ!なつ、無事に着いたみたいだよ。もう寝ちゃったみたい。」

「うん。良かった。」

「なつは、新しい一歩を踏み出そうとしているね。私達も頑張らないと。その女の所に、明日一緒に行ってみない?話す事があるの。」

「うん。ちょうど良かった。一緒に行ってくれるなら心強いよ。1人だと、殴ってしまいそうだったから。」

 明日、俺とコウは安西に会い、話し合いをする事になった。

 外は風が嵐のように強くて、窓がガタガタ音を立てていた。


 なつみにした事。
 怒りを抑えて話せるだろうか。

 不安と怒りが入り混じっていた。
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