桜の木に寄り添う

私の未来

そう強く願いながら、携帯を握りしめて部屋に戻った。
「なつ、電話終わった?早く手伝ってよ」

部屋に戻って早々にリエが言った。

「うん、早く片付けなきゃだね」

私達は、黙々と荷物を片付け始める。

それぞれみんなが抱えて胸にしまっているもの。
全て解決する事は出来ないかもしれない。

それでも前に進んでいくためには、大切にしていくものが必ずあると思う。

たくさんの人と出会いながら、人は皆、成長していくのだろう。
大人になっていたとしても……。

私の未来はどうなっていくのだろう。
今は、想像することもできない。

今までは、前向きに生きていく事だけしか考えず、必死に生きてきた。

どうか、明るく楽しくいられますように。

荷物を片付けながら、そんな事を考えていた。

そして携帯を見るとコウちゃんからメールがきていた。

《なつ、あかりも会いたがっているよ!今日の夜また電話するから、日にちを決めよう》

覚えていてくれた事とまた会える事、嬉しくて、嬉しくてたまらなかった。

「なつ、顔がニヤけてるよ?いい事あった?」

2人が不思議そうな顔をしてこっちを見ている。

「なんでもないよ」

私は、少し軽やかな気持ちになった。

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