桜の木に寄り添う

新しい未来

電車に揺られながら、私は色々なことを考えている。

 たくさんの思い出…。
 そしてまだまだこれから作り上げていかないといけない未来。

 私は、過去にしがみついていたのかもしれない。
 昔の私は、今の私の事を見たらなんて言うんだろう。

 頑張ってるね!って言うのかな。

 きっと昔の私なら、今の私を怒っているだろう。

 昔の私は、はっきりとした性格と言われていた。
 物事をいつまでも引きずったりはしない。

 でも、今の私は自信の無さがはっきりと現れていた。
 もっと自信を持ちたい。
 心からそうおもっている。

 悩みを抱えているのは、私だけじゃないんだ。
 それもちゃんとわかっているつもりではいたはずだった。

 これからの未来、いろんな試練がやってくることだろう。

 もっと自分に自信を持たなきゃ。
 上手くいくことも、きっと上手くいかなくなってしまうから。

 ヒロキくんのくれた絵には、どんな思いが隠れているのかな。
 私達には、空白の時間があるのもわかっている。

 その空白の時間を焦らずゆっくりと、うめていきたい。

 まず今、私がやらなければいけないことを自分のペースで乗り越えていきたい。

 そう私は思うことができていた。

 色んな事を思っているうちに、東京に着いていた。

「 降りるよ! 」

 リエが、私の背後に回り車椅子を押し始めた。

 いよいよ、私のこれからの未来が始まるんだ。

 新しい未来が楽しく生きていけるようにと、心から私は祈っていた。

 私の手元にあった携帯が鳴り、メールが届いた。
< 82 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop