Fake!!(フェイク)~漆黒の魔導師と呪われた乙女の物語~
【魔術師の祝福】
『ふふふ…まだまだだな!』
スルトは余裕の笑い声を上げながら、身体の周りに結界を張り巡らし、エドガーの剣を押し戻す。
ズズッ…ズズズッ
強い力に押し返され、剣を握るエドガーの腕がブルブルと震えだした。
持ち前の怪力で再び剣を押し戻すが、徐々に腕の力が萎えてゆくのが自分でもわかる。
(痛っ、指から痛みが全身に広がって…このままじゃ完全に力負けだ…折角のレオルドの魔法が台無しになっちゃうよ…。)
ついにエドガーは、石の床に膝をついた。
『他愛のない…。聖女の加護をもってしても、お前の力はその程度か?』
スルトの嘲笑が頭上に響き、エドガーはギリギリと切歯した。
「まっ、まだだ…僕はお前なんかに負けない。だって、ロニィに誓ったんだから!絶対に諦めるもんか!」
エドガーは立ち上がると、再び突き出した剣の柄を強く握りしめた。
「…!」
彼女の手に、背後から何者かの手がそっと重ねられた。
暖かな吐息が首筋を擽り、エドガーの身体に熱い血が駆け巡る。
“エドガー、大丈夫だ。落ち着いてゆけ。”
「ロニィ!」
“ったく…呼ぶのが遅せぇんだよ。待ちくたびれたぜ。いいか、エドガー…力を抜くな、剣に全神経を集中しろ!”
白銀の戦乙女の背後に、漆黒の魔導師の姿が浮かび上がった。
スルトは余裕の笑い声を上げながら、身体の周りに結界を張り巡らし、エドガーの剣を押し戻す。
ズズッ…ズズズッ
強い力に押し返され、剣を握るエドガーの腕がブルブルと震えだした。
持ち前の怪力で再び剣を押し戻すが、徐々に腕の力が萎えてゆくのが自分でもわかる。
(痛っ、指から痛みが全身に広がって…このままじゃ完全に力負けだ…折角のレオルドの魔法が台無しになっちゃうよ…。)
ついにエドガーは、石の床に膝をついた。
『他愛のない…。聖女の加護をもってしても、お前の力はその程度か?』
スルトの嘲笑が頭上に響き、エドガーはギリギリと切歯した。
「まっ、まだだ…僕はお前なんかに負けない。だって、ロニィに誓ったんだから!絶対に諦めるもんか!」
エドガーは立ち上がると、再び突き出した剣の柄を強く握りしめた。
「…!」
彼女の手に、背後から何者かの手がそっと重ねられた。
暖かな吐息が首筋を擽り、エドガーの身体に熱い血が駆け巡る。
“エドガー、大丈夫だ。落ち着いてゆけ。”
「ロニィ!」
“ったく…呼ぶのが遅せぇんだよ。待ちくたびれたぜ。いいか、エドガー…力を抜くな、剣に全神経を集中しろ!”
白銀の戦乙女の背後に、漆黒の魔導師の姿が浮かび上がった。