Fake!!(フェイク)~漆黒の魔導師と呪われた乙女の物語~
「マジかよ・・。」
「そっ、マジだよ。」
抵抗するのを諦め、引きずられるまま廊下を進む俺に奴は涼しい声で答えた。
(あああ・・・。俺・・どうなっちゃう訳?)
ドサッ
「…ていうかさぁ…いつまで引きずられてるつもり?いい加減自分で歩いてよね。」
ニヤリと冷酷な笑みを浮かべ、エドガーは俺を学校の玄関先に放り出した。
「痛てぇぇぇ~。テメェいい加減にしろよな。」
思いっきり悪態を付きながら、俺は立ち上がりマントに付いた雪を払い落とした。
(あーあ・・・。)
フッと大きな溜息をつきながら俺は鉛色の空を見上げた。大きな牡丹雪が頬を静かに濡らす…そんな俺の後ろ姿を複雑な表情を浮かべたままエドガーがじっと見つめていた。