Fake!!(フェイク)~漆黒の魔導師と呪われた乙女の物語~
「うーん、美味しい♪」
エドガーは、暫くの間飴を舐めながら部屋のあちこちを見て回ったり、窓を開けて賑やかな通りを見下ろし、道行く男女に手を振ったりと楽しそうに過ごしていた。
「…やっぱり遅すぎる!もう待ちきれない!」
形の良い眉を吊り上げ、エドガーは叫んだ。
「ロニィは部屋を出るなって言ったけど、変身した僕は誰にも見られていないから大丈夫だよね♪」
エドガーは、エメラルド色の瞳を好奇心に輝かせ、静かに部屋のドアを開けた。
細い隙間から顔を覗かせ、外の様子を伺う。廊下は思いの外静かだった。
「そうっと…そうっと…静かにね。」
足音を忍ばせて階段の方へ向かう。
「え…何?」
“…ニィ…ロニィ…。”
突き当たりのラウンジから、人の声が聞こえてくる。
「今…ロニィって言ってたよね…。」
そう呟きながら、エドガーはラウンジを覗き見た。
「…!!!」
途切れ途切れに聞こえる歓喜の声。
乱れる男女の吐息…。
薄暗いラウンジの長椅子で絡み合う男女。
こちらへ向けた男の裸の肩に浮かんだ薔薇のような痣。
「ロニィ…。」
乱れた鼓動が全身を駆け巡り、エドガーの視界がぼんやりとぼやけた。
彼女はよろめきながらその場を立ち去ろうときびすを返した瞬間、壁の燭台に触れそれは微かな金属音をたてた。
一瞬訪れた静寂。
そして、走り去っていく素足の足音。
エドガーは、暫くの間飴を舐めながら部屋のあちこちを見て回ったり、窓を開けて賑やかな通りを見下ろし、道行く男女に手を振ったりと楽しそうに過ごしていた。
「…やっぱり遅すぎる!もう待ちきれない!」
形の良い眉を吊り上げ、エドガーは叫んだ。
「ロニィは部屋を出るなって言ったけど、変身した僕は誰にも見られていないから大丈夫だよね♪」
エドガーは、エメラルド色の瞳を好奇心に輝かせ、静かに部屋のドアを開けた。
細い隙間から顔を覗かせ、外の様子を伺う。廊下は思いの外静かだった。
「そうっと…そうっと…静かにね。」
足音を忍ばせて階段の方へ向かう。
「え…何?」
“…ニィ…ロニィ…。”
突き当たりのラウンジから、人の声が聞こえてくる。
「今…ロニィって言ってたよね…。」
そう呟きながら、エドガーはラウンジを覗き見た。
「…!!!」
途切れ途切れに聞こえる歓喜の声。
乱れる男女の吐息…。
薄暗いラウンジの長椅子で絡み合う男女。
こちらへ向けた男の裸の肩に浮かんだ薔薇のような痣。
「ロニィ…。」
乱れた鼓動が全身を駆け巡り、エドガーの視界がぼんやりとぼやけた。
彼女はよろめきながらその場を立ち去ろうときびすを返した瞬間、壁の燭台に触れそれは微かな金属音をたてた。
一瞬訪れた静寂。
そして、走り去っていく素足の足音。