Fake!!(フェイク)~漆黒の魔導師と呪われた乙女の物語~
「本当に…これで良かったの?」
ロニィの身体の下でリーゼが囁く。
「ああ、これでいい…これは彼女が“ある呪文”を唱える為の手段だから…。」
「貴方は馬鹿よ…。」
「…。」
「もうこんな芝居は止しましょう。」
ロニィを押しのけ、リーゼは裸の胸を両腕で隠し、彼に背を向けた。
白い背中が闇の中で白い光を放つ。
ロニィは溜息をつき、汗にまみれた体をゆっくりと起こした。
彼の目に飛び込んできたリーゼの滑らかな背中。
その右の肩甲骨の辺りに何か青く輝く入れ墨のようなものが見えた。
「リーゼ…その烙印は…。」
ロニィの声にリーゼはビクリとして振り返った。
「貴方にはこれが見えるの?魔法使いにしか見えない堕落の烙印が…。」
「ああ。見えるよ。俺は魔導師だ。そしてかつては君も…。」
「ええ、以前は国に仕える魔女だったわ。でも…私は罪を犯した。」
『掟に背き者はその背に堕落の烙印を印し、追放処分とす。又、罪人はその因となりし事柄にその身を置き、生涯罰を受けることとする』
「ここにいる事が君の罰?」
「ええ。ねぇロニィ、私の話はもういいでしょう?」
「…ごめん…。」
「もう帰るわね。」
リーゼは身支度を整え、ロニィに向き直ると穏やかに微笑んだ。
ロニィの身体の下でリーゼが囁く。
「ああ、これでいい…これは彼女が“ある呪文”を唱える為の手段だから…。」
「貴方は馬鹿よ…。」
「…。」
「もうこんな芝居は止しましょう。」
ロニィを押しのけ、リーゼは裸の胸を両腕で隠し、彼に背を向けた。
白い背中が闇の中で白い光を放つ。
ロニィは溜息をつき、汗にまみれた体をゆっくりと起こした。
彼の目に飛び込んできたリーゼの滑らかな背中。
その右の肩甲骨の辺りに何か青く輝く入れ墨のようなものが見えた。
「リーゼ…その烙印は…。」
ロニィの声にリーゼはビクリとして振り返った。
「貴方にはこれが見えるの?魔法使いにしか見えない堕落の烙印が…。」
「ああ。見えるよ。俺は魔導師だ。そしてかつては君も…。」
「ええ、以前は国に仕える魔女だったわ。でも…私は罪を犯した。」
『掟に背き者はその背に堕落の烙印を印し、追放処分とす。又、罪人はその因となりし事柄にその身を置き、生涯罰を受けることとする』
「ここにいる事が君の罰?」
「ええ。ねぇロニィ、私の話はもういいでしょう?」
「…ごめん…。」
「もう帰るわね。」
リーゼは身支度を整え、ロニィに向き直ると穏やかに微笑んだ。