Fake!!(フェイク)~漆黒の魔導師と呪われた乙女の物語~
(やった!あそこがゴールだ!)
早く課題を完了してロニィの元に帰るのだという強い思いに突き動かされ、エドガーは走った。
シュウゥゥ…シュゥゥ
彼女の足がピタリと止まった。
そこから聞こえる、背筋が寒くなるような不気味な音…彼女の体に緊張が漲った。
シュウゥゥ…シュゥゥ
『ふふふ…来たな。呪われた乙女よ。』
中央に古びた祭壇と、花崗岩の棺を据えたほの暗い室内に、男の声が響いた。
「誰だっ!」
エドガーは、剣の柄に手を掛け叫んだ。
『私か?私はこの国の始祖…スルト…。』
彼女の問いに答え、鈍く輝く玉座から立ち上がった人物を見上げ、エドガーは驚き息を呑んだ。
「…!」
スルトと名乗ったその男は、現国王レオルド・ヴァン・アーセナルに瓜二つだった。
しかし、彼の憂いを帯びた美しい顔が突然ニィと歪み、三日月のように開いた口からは、蛇のもののような長い舌がチロチロと覗いた。
(こいつ…化け物か!)
スルトを見つめるエドガーの表情が、厳しく引き締まった。
『我のことを化け物と呼ぶか…。だが、それを言うならば…お前は、恋人を死に追いやった…氷の心を持つ乙女ではないのか?』
早く課題を完了してロニィの元に帰るのだという強い思いに突き動かされ、エドガーは走った。
シュウゥゥ…シュゥゥ
彼女の足がピタリと止まった。
そこから聞こえる、背筋が寒くなるような不気味な音…彼女の体に緊張が漲った。
シュウゥゥ…シュゥゥ
『ふふふ…来たな。呪われた乙女よ。』
中央に古びた祭壇と、花崗岩の棺を据えたほの暗い室内に、男の声が響いた。
「誰だっ!」
エドガーは、剣の柄に手を掛け叫んだ。
『私か?私はこの国の始祖…スルト…。』
彼女の問いに答え、鈍く輝く玉座から立ち上がった人物を見上げ、エドガーは驚き息を呑んだ。
「…!」
スルトと名乗ったその男は、現国王レオルド・ヴァン・アーセナルに瓜二つだった。
しかし、彼の憂いを帯びた美しい顔が突然ニィと歪み、三日月のように開いた口からは、蛇のもののような長い舌がチロチロと覗いた。
(こいつ…化け物か!)
スルトを見つめるエドガーの表情が、厳しく引き締まった。
『我のことを化け物と呼ぶか…。だが、それを言うならば…お前は、恋人を死に追いやった…氷の心を持つ乙女ではないのか?』