崩れたと思っていた青春の先は
病院に行った日の翌日。今日は、俺たち高校1年生の体験入部(全員参加で自由に部活を回れる)がある。
俺は、どの部活に体験入部に行こうか迷いながら廊下を歩いていた。
俺は、部活に入る気はない――というか学校自体が嫌いなのだ。学校を終わらせ、さっさと帰ってゲームをするのが俺の日常。
「そこの君」
廊下を歩いていると、1人の少年(見た感じ2年生で先輩)に声をかけられて俺は立ち止まった。
「……俺ですか?」
「そう…君さ、『世界部』に興味ない?」
「世界部…?」
俺が首を傾げると、先輩は「そう。世界について勉強したりする部活なんだ」と微笑みながら説明してくれた。
……まぁ、体験入部だけなら行ってもいっか。
「体験入部だけなら行きます」
俺がそう答えると、先輩は「ありがとう。部室はこっちだよ」と俺の腕を引っ張ってとある教室へと連れてくれた。