崩れたと思っていた青春の先は
部室(『第一多目的教室』と言われている場所)に入ると、俺とこの先輩を除いた2人が俺を見つめた。
「…とりあえず、1人は体験入部に来てくれたね。綾斗(あやと)、あんたが勝手に連れてきたんじゃないよね…?」
先輩を疑いのある目で見つめながら先輩と同級生の人が言った。
「違うよ~…この子が体験入部に来たいって言ってたから…」
先輩は、肩を落としながら言った。この会話が日常茶飯事なのか、もう1人の先輩(3年生)が苦笑しながら2人を見ていた。
「とりあえず、自己紹介しないとね。僕は、笹井(ささい) 綾斗。2年生でこの世界部の副部長をしています」
「俺は、3年の部長の宮内 和樹(みやうち かずき)。よろしく」
「僕は、2年生の石丸 颯馬(いしまる そうま)!」
「…1年生の綾瀬 風雅です」
俺たちは、全員自己紹介すると俺は荷物を置いて席に座った。
「さて、風雅くんも来た所で…Welcome to World club(世界部へようこそ)!」
突然出てきた英語に、俺は驚きを隠せない。俺は、とても英語が苦手なのだ。
「ごめん。俺も英語苦手なんだ。世界部へようこそっていうこの英語も正解かどうか分からないから」
宮内先輩は、意地悪そうに笑いながら言った。