あふれる笑顔
彰人の事だけでも、言いたいことが言えて

安心して席を立とうとしたら………

「圭哉。
早速、仕事を頼みたいんだが………」と。

仕事は、来月からの予定だったが

すると決めた以上、断る理由はない。

「今回の仕事は
週末に行われる会食についてきて
先方の様子を探って欲しいんだ。
お前一人で大丈夫だから………
洋介君と彰人には
来月からの出勤でお願いするつもりだ。」

まぁ、会食につき合うくらいなら彰人達はいらないよな。

「分かりました。
何時に何処へ?」

「詳しい話しは、後日知らせる。
取り合えず、先方に勘ぐられないように
身なりを整えておいてくれ。」

親父の注文に添うよう、明日からの予定を頭で弾き出した。

「じゃあ、頼む。」

一礼して席を外し、廊下に出ると

「親父がタヌキなのは、よく知ってるだろう。
警戒しろよ!」

ポンと肩を叩かれ、兄貴と別れた。
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