あふれる笑顔

「咲…………ごめん！」

夏苗ちゃんと二人で、内緒にした見合い。

結局

沢山の人を巻き込み

咲を傷つけ………

自分の力で解決出来なかった。

落ち込む俺に

「圭ちゃん、ありがとう。
最後まで、私と彰人兄を守る事だけ
考えてくれたでしょう。
それだけで十分だよ。」と。

兄貴の穏やかな雰囲気に騙された俺は……

まだまだ若輩者だ。

「まぁ、良いんじゃないの？
結果的に結婚も許してもらえたんだし。」

彰人の言葉にさっき浮かんだ疑問を思い出す。

「そう言えば…………
兄貴と夏苗ちゃんの彼氏と一緒に登場って
どういう事だ？」

俺の質問に

「圭兄。
結婚するなら、浮気はするなよ！
どんな探偵より咲は優秀だ。
いつもより言葉数の多い圭兄の事を
不自然に思った咲に相談されて
俺と洋介が調べた。
会食につき合うだけの仕事にしては、頻繁に出掛ける事を
不思議に思って、会社に顔を出すと………
社長に声をかけられ、仕事を依頼されたんだ。
『圭哉が咲さんのお父上と夏苗ちゃんを引き連れ
何やら悪巧みを企んでいる。
内容を調べて報告して欲しい』と。
俺達が知りたい内容だったから、直ぐに引き受けた。
咲がおばさんに
『見合いをさせる』と聞かされていたから
結構楽に調べはついたし。
後は、さっき見た通り。
夏苗ちゃんの彼氏は、社長の親友だからね。」

からくりは、分かった。