あふれる笑顔
「だったら、許してあげる代わりにデートして。」

洋介の聞き捨てならない提案に

「オイ!!」と怒る俺に被せて

「うん、良いよ!!
それでチャラ??」と咲。

「悪いね。
圭哉、今週末は咲ちゃんを借りるね。
だったら、服装は…………ミニスカートね!
遊園地に行こう!」

「でも………彩先生にバレない??
私、これ以上睨まれたくないからね。」とあくまで彩ちゃんの心配のみ。

俺の事は、悪いと思わないのか?

イライラしてる所に、もう一人の厄介者………ささが来た。

「ちぃーす!」

「あっ!笹兄。
ただいま!!」

咲に甘いささが、少し目尻を下げる。

「洋介も来てたんだ。」

「おぅ!ささ、久しぶり。
ここのところ穏やかだったからなぁ。
仕事が無いのは平和な証だな。」と呑気に会話してる。

「仕事が無いのに来るって、珍しいな。」

「咲ちゃんに、デートのお誘いに来た。」

洋介の言葉に、チラリと俺を見て

「ふぅ~ん。」と含み笑いを浮かべる。

クソ!!

何で俺がこんなにイライラさせられるんだ??

「オイ!咲、帰るぞ!!」

「えっ?!
夕ごはんは??」

いつもはささが来てから3人で食べる。

「何処かで食わしてやる!
いいから帰るぞ!!」

強引に手を引く俺に戸惑いながら、荷物を掴んで後に続く。

「「お疲れ~。
咲、頑張れよ~!」」

二人の笑い声がイライラを増幅する。
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