あふれる笑顔
ガサ、ゴソ、ガサ。

ベットから起き上がろうと、枕の横に手を置くと

何か硬い、封筒のような物が当たった。

………………………………??

半分寝惚けた頭で、考えてから手で掴み

顔の前に持ってきた。

『スカイ旅行会社??』

ブルーの封書の真ん中に、飛行機の柄が記されている。

???

封を開けると…………

飛行機のチケットとホテルの予約。

「びっくりした?」

傍らに眠っているはずの咲が、そっと目を開け話しかける。

「圭ちゃん、ゴールデンウイーク…………
一緒に行ってくれる?
あんまりお金がなかったから、広島だけど。
海晴先生が『航と行って楽しかったよ。』って勧めてくれたから。
圭ちゃんと…………二人の思い出が作りたい。
いっぱい話して、いっぱい遊んで………
年の差や………色々不安もあるけど………
堂々と『圭ちゃんの彼女です!』って言いたいの。
隣にしっかり立ってから………
幼稚園を辞めて、圭ちゃんの家族になりたい。
……………………………………前に、うさぎの話しをしたでしょう。
淋し過ぎると、死んでしまうって………。
あれには続きがあって……
レタスを食べさせると、いっぱい眠れるって言われてるの。
レタスに催眠作用があるとも言われてるらしいんだけど………
心を許した人の手で、与えて貰える安心が………
ゆっくり休める居場所を作ったからだとも………。
私は…………
圭ちゃんの作ったご飯と愛情で…………
今、ゆっくり休める居場所を貰えたの。
もう、うさぎに戻ることはないって………心から思って。
圭ちゃんの隣を歩く自信がもてたの。
圭ちゃん。
ゴールデンウイークに……………私を彼女にして下さい。」
< 42 / 121 >

この作品をシェア

pagetop