あふれる笑顔
窓の外に広がる雲に感動したり

降下の時にかかるGに驚いたり…………

他の先生達に聞いてはいたらしいけど

体感してみると、かなりの衝撃だったみたいで

広島についてからも、興奮がおさまっていないようだ。

「ほらっ、ささに連絡するんだろう。」

荷物を取り、表に出ると電話をするように促した。

「あっ、そうだった!
笹兄に『事細かく連絡しろ。』って言われてたんだ。」

咲の呟きに、引っ掛かりを覚える。

『事細かに?』

アイツら………………!!

たぶん咲を通して、からかうネタを仕入れるつもりだ。

「咲、俺が連絡するから大丈夫だ。」

単純な咲に任せておくと、いらない事を言われそうだ。

「それより、航君達に色々聞いてきたんだろう。
案内頼むな。」

こう言えば

「じゃあ、笹兄への報告は圭ちゃんに任せたぁ!!」と

何も疑わずに、元気に答える。

俺を喜ばそうと始めた旅行だから…………

まず最優先は、俺なのだ。
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