あふれる笑顔
「咲、自転車に乗れるか?」

キョトンとしてこちらを見る。

この島をサイクリングしながら回れるらしいのだ。

「うん。
子供の時以来だけど、乗れると思うよ?」

「だったら、借りに行くぞ。」

歩き始めた俺に

「ええっ!!
圭ちゃんって、自転車に乗れるの?!」と驚く。

ムッと振り向くと

「だって~
タバコやアルコールって、体に悪そうな物が似合うんだもん。
自転車や太陽の下で活動って、イメージにないよぅ。」

そう言ってケラケラ笑う。

まぁ、そうだけど…………

咲と一緒に居たら、体に悪そうな物は遠ざけて

健康的になってしまう。

それにこの島は、うさぎが中心らしく

車を乗り回せない。

バスで移動すると『せっかくうさぎを見に来たのに!』と

咲に怒られそうだし………

かといって、島を歩いて回るほど…………俺は若くない。

「歩きたいなら、俺だけ乗るぞ。」

咲をおいてサッサと歩き始めると

「圭ちゃ~ん。
待ってよぅ。」と

男の子に別れを告げて、追いかけてくる。

途中、色々なうさぎに気を取られながらついて来て

宿泊場所に止めてある、自転車を借りることにした。
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