あふれる笑顔
「圭ちゃん。」

ベットサイドに腰掛けた俺の背中に

抱きついてきた咲。

ホントだったら、ドキッとするシュチエーションだけど……

今は後ろにしか声をかけられない咲を

痛々しく思う。

「『ごめんね』は、受け付けないぞ。
ごめんは…………俺だから。
無理させて……ごめんな。」

「無理なんてしてない!!」

泣きながら、強く訴えることが………無理してるんだって。

たぶん、無理してるってことすら気づいてないのかもなぁ。

「咲、こっちに来れる?」

俺の膝を叩くと………すんなりきた。

あぁ、安心する。

抱き抱えて一番に思うのはそれだ。

この小さな女の子に癒される。

「咲。
指輪を嵌めさせてくれる?
俺……………お前がいないと無理だ。
咲を幸せにしてやりたいとか
守ってやりたいなんて思っていた時期もあったけど………
今は………
咲と一緒に居たら、俺が幸せだから………手放せない。
結婚とか、セックスとか………
俺が焦りすぎて………悩ませたけど。
昨日、お前がこの家から居なくなって感じたのは……
『側に居て欲しい。』ってことだけだったんだ。
魅力がない??
そんな事はない。
ホントは……今すぐ押し倒したい程魅力的だ。
けど………
俺もこの歳だからな…………。
先の見通しも立てられるんだ。
結婚してずっと一緒に居られるように
今すぐ手を出してはいけないって考えるくらいには。
だから……自分の理性を押さえた。
不安にさせて……ごめんな。
結婚してくれって言っておいて
家の事、これからの事………俺の気持ちを話さなかったら………
怖いし不安だよな。
ささに怒られて………色々考えたよ。
いっぱい考えて…………
出た答えは……………『咲とずっと一緒に居たい!』だった。
18も年上で、ちゃんとリードしてやりたいのに
咲の事になると
咲と同じ年の奴らと変わらなくなるみたいだ。
お願いします。
俺とずっと一緒にいて下さい。」
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