あふれる笑顔
「圭ちゃん、ありがとう。
大好きだよ。」

ギュッと抱きついて…………

キスをした。

おいおい咲さん。

今、そんな事したらこのまま押し倒してしまいそうだよ。

苦笑いを浮かべる俺に

「圭ちゃん…………ドキドキしてる。」と言って

胸に耳を押しつけて、クスクス笑っている。

そりゃあそうだろう。

咲からキスをしてきたんだからな。

そんな可愛いことされてドキドキするのは、当たり前だ。

「咲で………欲情する?」

ブッ!!

欲情って………。

いつの時代の人間だよ。

「さっき言ったよな?
このまま押し倒したくなるって………。
理性で抑えてる。」

「私がこの間言ったこと………気にしてる?」

言ったことっていうのは…………

経験してるってことの事か?

「いや。
全く気にしてない。
……………………って言ってやりたいけど
正直に言うと………気になってる。
ただし、先に言っとくけど
経験してたからじゃないからな!
別に処女に拘ってない。
それに、咲がどう思おうと…………処女だぞ。
……………………………俺が気になってるのは
咲が怖くて痛い思いをした分………大切にしたいって気持ちだ。
思いが強くて…………手が出せないでいる。
良い思い出に塗り替えてやりたくて…………考えすぎる。
男も繊細だから………
緊張すると上手くいかないんだよなぁ。
勢いでして、怖い思いをさせたくないからな。
だから………
結婚してからで良いかなって思ってる。
咲…………。
答えたくなかったら話さなくて良いからな。」

そう前置きをして、話し始める。
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