身ごもり政略結婚
「彼女の行為はアルカンシエルの品格にも関わる。俺は八坂社長の判断は賢明だと思っている。結衣、これで許してもらえないか?」
「えっ、許すって……。私は大雅さんと彼女がそういう関係じゃなかっただけで、もう十分……キャッ」
気がつくとソファに押し倒されていた。
そして彼が真摯な眼差しをぶつけてくるので、鼓動が速まりだした。
「他の女なんて目に入るわけないだろ。結衣を愛してるんだ」
艶っぽいため息とともにそう吐き出しながら、彼が長い指で私の唇をゆっくり撫でるので、息をするのも忘れそうになる。
「結衣は俺だけのものだからな」
「は、はい」
やっとのことで返事をすると、まるで磁石が引き寄せられるように唇が重なった。