身ごもり政略結婚

そんなことを考えていると、大雅さんが腰を浮かして私にぴったりくっつくように座り直すので、ドキッとして目が泳ぐ。


「今日の結衣、本当にきれいだった。さすが和菓子屋の看板娘。白無垢がとびきり似合ってたよ」

「ありがとうございます」


改めて言われると照れくさい。
私はうつむいたまま紅茶を口にしてカップをテーブルに置いた。


「結衣」
「はい」


名前を呼ばれて再び顔を彼の方に向けると、真摯な眼差しで縛られて動けなくなる。


「結婚を承諾してくれてありがとう」


彼はそう言ったあと、距離を縮めてきてキスを落とした。

大雅さんとの初めてのキスは、とても熱かった。
心臓がバクバクと暴走を始めたのに気づいた私は、胸に手を当てて顔を伏せる。


「風呂、入ろうか」
「は、はい。入れてきます」


私はいたたまれなくなり、リビングを飛び出した。
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