身ごもり政略結婚

まさか、キスでこれほど翻弄されるとは思っていなかった。

愛のない結婚のはずなのに、彼の行為は優しい。


子供さえできればいいのだから、本当はもっと乱暴にされるのではないかと心配していた。

しかし彼はそのあとも、私が小さなうめき声をあげる場所を見つけては、丁寧に愛撫を繰り返す。


「はぁっ……あぁぁっ」


いつの間にか彼の指の、そして舌の行方に翻弄されて、声をあげて悶えていた。


「結衣」
「大雅、さん……」


甘い声で私の名を何度も口にする彼にしがみつくと、再び激しいキスが降ってくる。

唇がつながって互いの体温を交換するたび、胸がいっぱいになっていく。


こんな、愛されていると錯覚しそうなセックスをする彼の心の中に私はいないなんて。

虚しくてたまらないけれど、これは自分で選んだ道。
私なりに彼を愛して寄り添っていこう。


「あぁぁっ」


情熱的な愛撫で私の息が上がった頃、彼は一気に入ってきた。

大雅さんの鍛えられたたくましい腕をつかんで、体を弓なりにのけ反らせる。
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