身ごもり政略結婚
「結衣、平気?」
「はい」
私を心配したのか、彼は私の頬にそっと触れて視線をあわせたあと聞いてくる。
少し涙目になりながら答えると、彼は私を抱きあげて向かい合い、しばらくキスを続けた。
とろけるような甘いキスのおかげで体の力が抜けていくのがわかったのか、彼はもう一度私を寝かせてゆっくり動き始めた。
「あぁっ、んん……」
「結衣、きれいだ」
そんな優しい言葉をかけられたら、愛してほしいと叫んでしまいそうになる。
私はそれから何度も襲ってくる快楽にはあらがえず、髪を振り乱して悶えていた。
「はぁっ」
やがて深いため息とともに彼が果てると、私の頭の中は真っ白になった。
大雅さんはそのあと、肩で息をしながら私をギューッと抱きしめてくる。
想像していたよりずっと幸せな時間だった。
彼となら、きっとやっていける。
そんなふうに感じながら、疲れきっていたせいかそのまま眠ってしまった。