身ごもり政略結婚

それから一時間。

横になっていても気分はよくならず、土井さんに頼んでタクシーを呼んでもらい帰宅することにした。

父は盛んに裏の実家で休んで大雅さんに迎えに来てもらえと言うけれど、今日は接待で遅くなると聞いているし。

それに、そもそも妊娠なら病気ではない。


妊娠の可能性は伏せたままマンションに戻り、ベッドに直行する。

そういえばここ三日ほど、食欲がなかったり熱っぽかったりしたが、ちょっとした風邪でも引いたと思っていた。

体が重くてベッドの中で目を閉じたら、いつの間にか眠ってしまった。


目を覚ましたのは、西の空が真っ赤に燃えている十八時過ぎ。

少し体調が上向いてきたため、近所の薬局に出かけて妊娠検査薬を買ってきた。

明日は仕事を休むと伝えてきたので、これで陽性反応が出たら病院に行こう。


「産理予定日の一週間後からか……」


まだ六日だけど出るかな?
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