駆け抜けて、青春
きらきらと目を輝かせながら言い切った、目の前の彼女。

そういえば梨由が上月千歳は強いってずっと言ってた…気がする。

「あ…私女の子の友達少ないから上月さんがよければ…もちろんうれしい…って、わ」

言いきる前に抱きつかれて最後までちゃんと言えなかったけれど、伝わったんだな ということにほっとする。

私は口下手で、人に嫌な思いをさせてしまいがちだから。

ぐーっと感じる圧さえ嬉しく思えて。


「あ、ありがとう…!ゆらちゃん、って呼んでもいい!?」

「うん…千歳、ちゃん」


きゃー!!と言いながらさりげなく抱きつく力を強めていたから、倒れる寸前に湊が止めてくれていなかったらどうなっていたかわからない。

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