緑の風と小さな光 第2部
「何も知らずに兄様の優しさに包まれていればいい。
だが、私はそうはいかない。
それでは気が済まない。…兄様の心を知る者として、何かしたいのだ。兄様の為に。
いつだってそう思っていた。…だから、せめて私には全てを話してほしかった。」
「…そうでしたか…」
「で?兄様は今は何処にいる?」
「…わかりません…」
「わからないだと?無責任だな。」
明らかに責める口調だ。
ヤールはセレとは違い、気性がやや激しい所がある。
「…旅に出ております。」
言いづらそうにローエンは答えた。
「旅?一人で?」
ヤールの視線は鋭かった。
「実は…」
ローエンは、セレが自分の娘と旅をしている事を話した。
それを聞いたヤールは隣に控えているタリヤに呼びかけた。
「タリヤ。」
「はい。」
「兄様を捜せ。離宮に戻って頂く。準備が整い次第、出発しろ。」
「承知致しました。」
タリヤは恭しく頭を下げた。
だが、私はそうはいかない。
それでは気が済まない。…兄様の心を知る者として、何かしたいのだ。兄様の為に。
いつだってそう思っていた。…だから、せめて私には全てを話してほしかった。」
「…そうでしたか…」
「で?兄様は今は何処にいる?」
「…わかりません…」
「わからないだと?無責任だな。」
明らかに責める口調だ。
ヤールはセレとは違い、気性がやや激しい所がある。
「…旅に出ております。」
言いづらそうにローエンは答えた。
「旅?一人で?」
ヤールの視線は鋭かった。
「実は…」
ローエンは、セレが自分の娘と旅をしている事を話した。
それを聞いたヤールは隣に控えているタリヤに呼びかけた。
「タリヤ。」
「はい。」
「兄様を捜せ。離宮に戻って頂く。準備が整い次第、出発しろ。」
「承知致しました。」
タリヤは恭しく頭を下げた。