緑の風と小さな光 第2部
ピアリはエイダ達と共に居住区の中心にいた。

奴隷達を管理する者達の詰所として使われている場所だ。

「ここで少し休んで下さい。スヴィア様の所に着く前に体調を崩されたのでは困りますから。」

エイダはピアリを馬から下ろした。

慣れない馬に何時間も乗せられてピアリは少しグッタリしていた。

大きなテーブルのある部屋に通され、勧められるまま椅子に座った。

「我々も休憩します。食事も用意させましょう。」

エイダはピアリの隣に座った。

しばらくしてパエリア風の具だくさんのライスが出された。

白身魚と野菜がタップリ入っていて、塩とコショウがメインの味付けになっていた。

「ここの伝統料理です。貧しい国なのでこんなものばかり食べています。」

エイダはそう言ったが、素朴な優しい味がピアリは気に入った。

フルーツも大皿に山盛りになっていた。さすがは南国だ。

「こんなにちゃんとした食事は久しぶりだわ。」

「いつもはもっと粗末なのですか?そんな大変な思いをしてまで、なぜ旅を?」

「お母さんに会いたいのよ。イズムルトにいるらしいの。」

「イズムルト?何処から来たのですか?」

「ロストークよ。」
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