緑の風と小さな光 第2部
「心を失ったのだな…竜のルビーの副作用だ。」

「…何故、知っている?」

エイダが驚きの表情を見せた。

スヴィアも視線をセレに向けた。

セレは『竜のルビー』だと確信していた訳ではなかった。カマをかけたのだ。

だが、これでハッキリした。魔法書を出した。

「これに書かれている。」

「魔法使いか…居住区の護衛達を鎮めるのが早い訳だ。…ちょっと待て。人を祓う。」

エイダは周りにいた人々を部屋から出した。

「では聞かせてもらおう。竜のルビーの副作用とは?」

セレは魔法書を読み上げた。

「他人の心を思い通りに操った分だけ、自分の心が失くなる。更に、その力を使えば使うほど歳を取る速度が増していく。」

「……」

エイダの無表情な顔が蒼白くなった。

「竜のルビーを何処で手に入れた?」

セレが訊いた。

「ある魔法商だ。…しかしそんな副作用があるとは言わなかった…」

「売りつけたいだけなら言わないだろうな。何故こんな物が欲しかったんだ?」

「そこまでお前に言う必要は無い。」

エイダは話す事を拒否した。だが、スヴィアが話し始めた。
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