緑の風と小さな光 第2部
「なるほど…奴等は竜の何かを食べるか飲むかしていたのだろう…魔法商と元々話を合わせていたのだな。」

政務官は、スヴィアに取り入り『一番合理的なやり方』を推し進め、竜のルビーの力で人々を操らせた。

それが奴隷制となった。

特別な能力を持たぬ者は単なる労働力…つまり奴隷だ。

知力、才力の高い者達がその奴隷を効率良く使う…いい様にこき使うという事だ。

産み出された利益は国の為に使う。何が国の為になるのかは、スヴィア達だけで決めた。

奴隷達は反対運動を起こした。

その激しい抵抗を抑える為にスヴィアは竜のルビーの力を使い過ぎた。

ますます心を失い、体も弱っていった。

そんな時に、暴徒化した奴隷の一部が城を襲撃し、中に入る事に成功した。

「…その中にお前もいたな。」

スヴィアがエルグを見つめて言った。

「スヴィアを倒す事がみんなの為になると思ったからだ。…今のあんたを国王陛下と呼ぶ気にはなれないな。」


「みんなの為か…私も『国の為に』と思ったのだ…

国の経済力を上げる事の何が悪い?奴隷制は効率が良い。

金は、使い方を知らぬ者に渡す必要は無いだろう?

…何か間違っているか?」
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