星野くんとの朝時間
「変とかじゃなくて、いい意味で言ってんの。素直に受け取ってよ」

「う、うん。ありがとう。星野くんのおかげだよ」

そうして心からの笑顔で笑った。

それを見た星野くんは一瞬時が止まったように固まり、口元を手で押さえて黙り込んだ。


「どうしたの?」


私は、ただ胸がいっぱいで、その時の星野くんの変化に気をとめる余裕はなかった。


「おはよ、美羽」


突然声をかけられてびっくりする。親友の千歳が登校してきたらしい。

「ちーちゃん、おはよ」

先程のことで、声がはずんでいるのは気のせいじゃないだろう。

「星野くんも、おはよう」

千歳は、私の目の前に座っている星野くんにも声をかけた。

「おはよう。それじゃ、俺席戻るわ。またね」

私も星野くんに小さく手を振り返す。



その様子を千歳が口をきつく結んで見つめていたことに私は気づかなかった。

高揚している気分の私に、千歳は意を決したように口を開く。


「ねぇ、美羽。お昼休み、話があるんだ」

< 13 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop