星野くんとの朝時間
―うん、ちーちゃん、そう思うよ。世界が違う人だって私も思ったもん。

―でもね、星野くんだってフツーの男の子だよ。おんなしクラスメイトだよ。住む世界とか、似合うとか似合わないとか、何なのかなー・・・・・・


 (星野くんと話すことが、そんなに悪いことだったのかな)


心の中でぐるぐると思いはかけ巡るが、ほっとして明るくなった千歳の様子を見ていると、何も言えなくなり、口をつぐむしかなかった。


(私だって、ちーちゃんに離れられたら困る。一緒にいる人いなくなっちゃうもん)


残りのお弁当を、千歳としゃべりながら食べたが、味がわからなかった。

そうして昼休みは終わった。

教室に戻ろうと、二人とも立ち上がり、校舎に向かって歩き始める。

先を行く千歳につられて歩きながら、ふと今まで座っていたベンチをふり返った。


(そうか、私、明日からもう朝、星野くんとは話せないんだ・・・・・・)


胸の奥がチクリと痛んだ。

「美羽ー、おいてくよー」

「はーい」

校舎中にチャイムが鳴り響いていた。

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