星野くんとの朝時間
「遅かったね」


「ごめんなさい」

うつむいて、スカートを両手でつかむ。


(どうしよう、呆れられた?)


「いや、気にしていないよ」

メガネの位置を直しながら言う。


「で、話って・・・・・・」


きっと何?と言おうとしたのだろう星野くんの言葉をさえぎる形で私の口はフライングした。





「好きです」






「え?」

「え?」

二人同時に言った。

聞き返すような星野くんの「え?」と、自分の口が何を言ってしまったんだと信じられない驚きの「え?」。

見事に重なった音に、私達は笑ってしまった。

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