星野くんとの朝時間
赤面するのがわかったが、どうしようもなく、かばんを机にかけ席に腰を下ろした。

すると、星野くんが席を立ち、ドアの方へ近づいてきた。

誰か来たの?とあたりを見回すが、まだ誰も来ていない。


(私?!!)


びっくりしていると、星野くんは私の前の席にもたれて立った。

「本條さん、いつも早いよね」

(いやいやいや・・・・・・星野くんの方が早いですから)

ぶんぶんと首をふり、そんなことないよと言おうとしたら、笑われた。

「心の声、もれてるよ」

再び顔が赤く、あつくなるのがわかった。


(はっ、恥ずかしいっっ)


どこかに隠れてしまいたい気分になったけれど、こんなチャンスはもうない。

嬉しさと戸惑いの混ざった思いの中、どうにか口角を上げる。

そんな心中を知ってか知らずか、星野くんは尚も続ける。

「ねぇ、物理の宿題やってきた?」

「えっ、ごめん、私、生物選択なんだ」

今度はどもらずに言えた。

「ふっ、知ってるよ」

「????!」

面白そうに笑う星野くん。

何が起きてるのか訳がわからない。

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