ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
パチパチ、瞬きする。
よくよく見れば、大きく開いた瞳は暗緑色に翳っていて。
顔も血の気が引いて青ざめてるし。
強張ったその表情は、怒りというより恐怖が勝ってる感じだ。
とても冗談を言っているようには見えない。
「えっと……誰から聞いたのか知らないけど、私は大丈夫よ?」
「……え? そ、そういえば……どこも血、出てないね?」
彼が私を、確認するように見回して。
「「……ん?」」
2人で、戸惑う視線を合わせた。
一体何がどうなってるの……?
そこへ。
「あぁよかった。無事会えたわね」
開けっ放しのドアから顔を見せたのは、柴田さんだった。