ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

なんだか、いろんな情報が頭の中で毛糸玉みたいに絡まってて、混乱してる。

そんな目的で子どもを産むなんて、あるんだろうか?
とても信じられないけど――……


「そんな彼女がもし、もう君のお腹の中に僕の子どもがいることを知ったら、どうすると思う?」


“どうすると思う?”


なぜかわからない。
でもその言葉が聞こえた途端、頭が意味を理解する前に――ゾクッと悪寒が走った。


今までの話が本当だとするなら……
自分の子を次期総帥に、と彼女が考えているなら……

つまり。
私の赤ちゃんは彼女にとって、邪魔ってこと?

私の心を読んだみたいに、ライアンが頷いた。


「君かベビーか、あるいは両方が、危険だと思った」


危険?
赤ちゃんが?

「シンシアの裏の評判は、決していいとは言えないからね。アメリカじゃ、よくない連中と付き合ってるって話も聞くし……何を企むか、考えただけでゾッとした」

< 209 / 394 >

この作品をシェア

pagetop