ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
なんだか、いろんな情報が頭の中で毛糸玉みたいに絡まってて、混乱してる。
そんな目的で子どもを産むなんて、あるんだろうか?
とても信じられないけど――……
「そんな彼女がもし、もう君のお腹の中に僕の子どもがいることを知ったら、どうすると思う?」
“どうすると思う?”
なぜかわからない。
でもその言葉が聞こえた途端、頭が意味を理解する前に――ゾクッと悪寒が走った。
今までの話が本当だとするなら……
自分の子を次期総帥に、と彼女が考えているなら……
つまり。
私の赤ちゃんは彼女にとって、邪魔ってこと?
私の心を読んだみたいに、ライアンが頷いた。
「君かベビーか、あるいは両方が、危険だと思った」
危険?
赤ちゃんが?
「シンシアの裏の評判は、決していいとは言えないからね。アメリカじゃ、よくない連中と付き合ってるって話も聞くし……何を企むか、考えただけでゾッとした」