ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

私と連絡を絶って、
遊び歩いて、評判が地に落ちるような真似をして……

でもそれは、私を嫌いになったわけじゃなくて。

全部、私と赤ちゃんのためで……


ぐぐっと、胸の奥から何かが弾けそうな勢いで沸いてくる。


「あ、ぁ飛鳥っ?」


狼狽えた声に、え、と顔を上げると。
長い指がオロオロと、私の頬に伸びてきて。
初めてそこが濡れていることに気づいた。


「ごめん……苦しめて、悲しませて、ほんとにごめん。僕のこといくらでも殴っていいから」

「っ……ううん、……ちがっ……やだ、泣くつもりなんて、なっ……」


私、こんな泣き虫なんかじゃない。


信じてたし。
大丈夫だって……


でも……なんだか、今だけ、ダメみたい。

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