ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「それは結果論ってやつだろ。例えば病院内に他にも仲間がいて、見られてたらどうするつもりだった? 何度も言ってるだろ。君は今、一人だけの身体じゃないんだ」
う、と口ごもり、視線を落とす。
何もするなって言われて、腹が立ったし、
離れて行く彼に対して、不安だったし、
じっとしていられなくて行動しちゃったけど……
「確かに、そうね……何もなかったのはただ運がよかっただけかも」
そうだ、忘れちゃいけない。
私の一番のミッションは、この子を守ることだ。
「ごめんなさい……」
赤ちゃんに伝わりますようにとお腹を撫でた私の手に、ライアンの手が重なった。
「いや、ごめん……謝らなきゃいけないのは僕の方だ」
嘆息交じりの声が言う。
「君が病院でその男を見かけた時に、ちゃんと話を聞くべきだった。一番悪いのは僕だよ。ほんと……ごめん」
2人で一緒に赤ちゃんに謝った。
ダメダメなパパとママでごめんね。
これから頑張るからね。
少しずつ、きっと……