ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
結局お祝いは、オーガニックコットンのフェイスタオルやスタイなどが入ったギフトセットに決定。
プレゼント用に包んでもらっていると、奈央さんの携帯が軽快な音を鳴らした。
「拓巳さんですか?」
奈央さんが頷いた。
「この近くの公園にいるんですって。歩いてすぐだっていうし、わたしたちも行こっか?」
「はい、そうしましょう」
ちょうど出来上がった商品を受け取った私達は、彼らの後を追うことにした。
◇◇◇◇
3月後半の日曜日。
新しい季節に向かって、ぐんと上向いてきた気温に加えて、絶好のお出かけ日和。
「結構大きな公園ね。こんなところがあったなんて知らなかった」
遊具はもちろん、芝生スペースや噴水もある広々したそこは、家族連れでにぎわっていた。
妊娠のせいかな。
やけに視線が、ママを追ってしまう。
……あ、大きなお腹の女性発見。
傍にお兄ちゃんがいるから、第二子かな。
ほのぼのした気持ちで眺めていたら、「おかーさーん!」って、あと2人走ってきて、ギョッと目をむいちゃった。
つつまり、4人目!?
私より若そうなのに、大センパイだったか。
と、軽くショックを受けた。