ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「最上悦子の秘書なら、これから調べるよ」
『最上、ってリーズニッポンの? しかも秘書って……何言ってんだよ、違うって!』
「違う?」
飛鳥の推理が間違ってたってことか?
『あいつは……あぁ、そうか、言ってもわかんねえか。お前あいつの本名知らないもんな』
「貴志、その話は後から聞くよ。今はほんとにそれどころじゃないんだ」
上の空で答えながら、思考を巡らせる。
どこから探す?
そうだ、まず駐車場の監視カメラをすべてチェックしなければ。
映っているかどうかは……神に祈るしかないけど。
そんな僕にお構いなく、貴志はつづけた。
『でもお前だって、この名前なら聞いたことあるだろ?』
「……は? え、なんだって?」
その名前を、僕は二度、聞き返した。