ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「総帥になれば、妬み僻みからいろんなトラブルに巻き込まれると思う」
ただでさえ、リーの血を引いていない僕に反感を持つ奴らは大勢いる。
そんな奴らが、飛鳥に目をつけないとどうして言える?
誘拐や脅迫……命すら危険になるかもしれない。
最上の時のように。
「もしそんなものに巻き込まれて、彼女やベビーに何かあったら……絶対に僕は、まともじゃいられない」
地獄の淵を覗き込んでいるような気がして吐き気がし、空いている方の手で胸元をきつく掴んだ。
「きっと僕は、モンスターになる」
躊躇いなく、人だって殺すかもしれない。
だから。
彼女の、ベビーの幸せのためには、
もしかしたら……
『まだ起きてもいないことを、今から悩んでどうすんだよ』
「そうかもしれないけど、でも――」
『強くなれ』