ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
何か言わなきゃと、思うのに。
私も誓わなきゃと……
ダメだ。
声が震えて、まともにしゃべれない。
どうしたんだろう。
さっきまで、ちゃんと平気だったのに。
なんだか突然……
こみ上げるものを何度飲み込んでも、それ以上に湧き上がるものに攫われ、頭が真っ白になってしまう。
そんな私を見つめていた翡翠の瞳が、柔らかく弧を描いた。
「僕を愛してくれるかい飛鳥? ずっと、一生僕から離れないって約束してくれる?」
「っい、はいっ!」
こくこく頷くたび、頬を転がり落ちる涙。
そっとそれを拭った彼の手が、私の左手を恭しく取り。
薬指に優しく、指輪をはめてくれた。
ピタリと収まったその輝きが、瞬く間に真白く、視界を覆っていく。