ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
同族経営が一部で批判されていたリーズグループだったけど、あいつがトップに就いてから、劇的に変わったと言われてる。
グループ内の事業再編を皮切りに、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、IT……等々、技術革新の著しい分野へ積極的に進出。
国際的な垣根を取り払い、得意分野を持つ大学やグループ外のベンチャー企業とも手を組んで、新しいプロジェクトを続々立ち上げている。
どの分野でも際立っているのは、目先の株価や利益の変動に動じず、将来的なウィンウィンへつながる事業展開を進めていることで、グループ企業の社会的評価は以前と比べものにならないらしい。
ライアンが持つ天性の先見力と柔軟な交渉力が、ふさわしい土壌を得て一気に花開いた、そういうことなんだろうと思う。
歴代最年少、初のコケイジャン(白人)のトップ。
いくら先代の絶対的な後押しがあったとはいえ、最初はなかなか平坦な道ではなかったらしいけど。
心配する必要なんてなかった。
あいつは実力で、周りを黙らせたんだから。
もちろんその影に、飛鳥さんの支えがあったことは言うまでもないけれど。