ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
「ごめんね、飛鳥。こんな時に、面倒なことに巻き込んでしまって」
私の背を頭を、優しく撫でながら、彼が言う。
「イライザって――古い友人なんだけど――今まで恋愛関係を匂わせたことなかったから、パパラッチ連中が大喜びしててさ」
古い友人……元カノ、だろうか。
聞く勇気は、なかった。
「しばらく僕も追いかけられるだろうから。ええっと、なんだっけ……ホト、ボリ? それが冷めるまで、ここで我慢してほしいんだ」
申し訳なさそうな声音に、ふと不安を覚えて顔を上げた。
「ライアンは……一緒じゃないの?」
言うなり、その顔に気まずそうな色が浮かぶ。
「……ライアン?」
「あのね飛鳥、そのことなんだけど……僕たち、しばらく会わない方がいいと思うんだ」