ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】

「もう関わっちゃってるのよ、今更気にするな、なんて無理に決まってるでしょ?」

「それでも、全部僕に任せてほしい。君は大人しくしてて」

おとなしく……何もするな?
その間に、自分は何してたのよ?
オスカー女優とデートしてたんじゃないの。
他の女性とだって……

仕事の方も忙しいんでしょう?
ほんとかどうか知らないけど。

ニセ秘書を調べる暇なんて、どこにあるのよ?

ぷつっ……と、何かが頭のどこかで切れた。


「もう、いいわよ」


投げ捨てるようにつぶやいて、ぐいっと彼の胸を両手で押しやり。
そのままダイニングを飛び出す。

「飛鳥っ! 走っちゃダメだ!」

追いかけてきた声を無視して。
目についた部屋に飛び込んで、ガチャっと内カギをかけた。


「飛鳥!」


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