ガラスの靴は、返品不可!? 【後編】
“愛してる”、そう言ってくれた彼を……信じなくちゃ。
ピロピロン♪
ピロピロン♪
心の声に応えるように、いきなり。
テーブルの上で携帯が音を立てて、ガタッと椅子を引いてしまった。
「飛鳥様、ライアン様からじゃございません?」
わくわくしたようにマリーさんが目を輝かせたけど、私は苦笑しながら首を振った。
「違います。自動配信のニュースです」
着信音が違うから、と説明すると、小さな肩がしゅんとしぼむ。
自分のことみたいにがっかりしてくれる彼女に、心がほっこり温かくなる。
今夜マリーさんと話せてよかったな、と思いながら携帯に手を伸ばした。
またライアンとイライザ絡みのニュースだろうか。
見たくないなぁと思いつつ、
惰性的に中を確認して――固まった。
【御曹司に二股疑惑!! 本命フィアンセ登場か!?】