今心の底から幸せだって言える。

にぎやかな空間

「あー!その子起きたんだ!」



「心配したよ。急に血相変えて要がその子運んできたときは…」



そう言って、入ってきたのは黒髪のショートヘア―の女の子と茶髪の男の子だった。



「そうそう!いつもあんなむすっとしてる要があんな焦ってるなんてね!」



こんな感じにね、といいほっぺを膨らませ腕を組むショートヘア―の女の子。


          
「しゃべりすぎだぞ、香恋」



「えー?いいじゃんか~!」



「僕は香恋の気持ちわかるな。だっていつもクールだもんね要は」



「しかもこんなかわいい子運んできたから誘拐かと…!」



にぎやかに話している3人…



すっごい楽しそうだな…。



「あーうるさいうるさい。っで悪かったな、お前名前なんて言うんだ?」



「わ、私は…」



「ほら要、急に話ふらない。僕だったらビビる」



「ただでさえ急にこんなところにいるんだから、名前聞くなら私たちから普通自己紹介するでしょ」



その言葉にうんうん、とうなづき、茶髪の子が



「そうだね。あっ僕の名前は水瀬透(みなせとおる)よろしくね」



とマイペースに話す。



「私も私も!私は花染香恋(はなぞめかれん)女子同士仲良くしようね!」



と活発に話してくれた、ショートカットの女の子。



「ほらほら!要も自己紹介して!」



「流川要(るかわかなめ)」



「そんだけ!?」



「要は相変わらずだねー」



みんな自己紹介を一通り終えてくれた。



みんな顔が美形で、私は…私はこんなところで、話を聞いてていいのかな…?



話が終わったのか、私の方を3人が見ていた。



「私の名前は咲野望結(さきのみゆ)今日転校してきました。高校一年生です。よろしくお願いします」



「やっぱ転校生だったんだ!めちゃめちゃ可愛い!高校一年生だから私たちの同い年だね!」



「これからよろしくね」



「……いってえ!」



一人だけあいさつをしない、流川くんをバシっと花染さんが叩く。



「よろしくな」



フッと笑った流川くんを見たらかっこいいなと思った。



「本当、要は顔だけはイケメンだよね」



「ほんとそれ!もっと愛嬌あればよかったのに!」



「なっ!」



驚いた表情でショックを受けている流川君。



「フフッ」



この会話を聞いていると、つい笑ってしまった。






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