只今、愛の診察中につき。


意識が少しずつ覚醒してきて
ゆっくりと目を開けた。

ーーここは、、

白い天井に白いベッドに白い掛け布団。

…そうだ。ここは病院だ。

わたし、気を失っちゃったんだっけ。

ボーッと天井を見ていると右手に温かな重みを感じて、そちらの方に顔を向けると

要さんがわたしの右手を両手でガッチリ握ってベッドに顔を突っ伏していた。

「…ぐすっ……」

何やら鼻を啜(すす)る音まで聞こえる。

え。え?

「…要……さん…?」

「っ!!!」

恐る恐る声を掛けると、要さんは勢いよく顔を上げた。

「…!!」

なんという事でしょう…。

このイケメン医師が、普段どSな人が
その整った双ぼうからクリスタルのような涙をハラハラと落としているではありませんかっ!




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